評価のフィードバック面接には、部下の納得感を高め、効果的な育成につなげていくという重要な目的があります。
面接では対象期間中の行動や成果について部下に振り返りをさせてから、部下の自己認識と上司評価とのすり合わせを行った上で評価結果を伝えていく流れが基本となりますが、それで終わりとしてしまっては面接本来の目的を十分に果たすことができません。結果を伝えた後に、部下と来期目標や行動計画について話し合い、上司から今後に対する期待の言葉をかけることが面接のキモであり、評価を部下育成につなげていく重要なポイントとなります。
具体的には次のように話を進めていくと良いでしょう。
(1) 来期が終わった時点でどのような状態になっていたいのかを質問する
それまでに面接で話した内容をふまえて、「来期末にはどんな状態になっていたいか」を部下に話してもらいます。ぼんやりとしたイメージしか持っていないようであれば、「それは具体的に言うと、『●●●』ということだろうか」、「その点についてもっと良く聞かせてもらえないか」といった質問を投げかけながら、部下の考えを引き出して、目標を具体化させるようにしましょう。
(2) 「なりたい状態」に近づくために、何をすべきかを考えさせる
(1)で描いた目標を達成するために、「足りないものは何だろうか?」、「その点はどうしたらもっと良くなるだろう?」といった問いかけをして、具体的な行動計画を部下自身に考えさせていきます。
(3) どのようなサポートを必要としているかを確認する
部下が安心して目標に取り組める環境を整えることも上司の大切な役目です。行動計画を進めるにあたって予想される障害や部下が上司にサポートを期待していることなどについて確認をして、上司からの具体的な支援を約束します。
(4) (1)~(3)で話した内容をまとめながら、期待の言葉をかける
ここまでの面接の中で、部下は行動計画を自分で考え、この先の半年間に目が向いた状態になっています。そこで、最後に面接の総括をしながら、上司から部下へ「こうなって欲しい」という希望を直接伝えつつ、「君ならできるはず」、「一緒にがんばろう」といった期待の言葉をかけます。この段階で伝えられた上司の希望は、一方的な意見の押し付けではなく、面接内容の再確認になっているはずなので、部下も素直に受け入れてくれるでしょう。
上記の手順は、フィードバック面接の基本的な「型」のようなものです。こうしたノウハウも活用しながら、効果的な話の進め方を自分のものにしていきましょう。
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